騙しフレーズ「シャッフルを16分音符に当てはめる」
今日は少し前に僕が動画ツイートした、16分音符にシャッフルを当てはめるちょっとトリッキーで聴いている人を騙すフレーズの解説と練習方法について書きたいと思います。
Twitterにも、ちょくちょく動画付きツイートしてました。
まずシャッフルなんですが、基本的なパターンを解説すると
右手で3連符の1つ目と3つ目をハイハットやライドで叩き、左手で2拍4拍をスネアで叩くビートになります。(シャッフルについてはあまり細かく触れると長くなるので今回は簡単に)
ま〜、3連符に当てはまったビートなんですよ。
Stevie WonderのIsn't She Lovely とか Higher Ground とかのあのノリのビートですよ。
で、今回はその3の流れで進んでいくビートを16分音符という4の流れで進んでいく音符に当てはめるというわけです!
当然、1拍を4つに分けた音符を3つずつ区切っていくので拍を見失いやすくなります。
これが聴いている人を錯覚させる効果につながるんですね〜
一般的に言われる、16分音符の3つ割りフレーズや半拍半フレーズの一種になるのですが、今回はシャッフルというバリバリ3連感のでるフレーズなのでより錯覚させやすくなりますし、その分自分も拍が分からなくなる可能性が高いです。
では練習の方法なんですが、今回はある程度16分音符の3つ割りが体内に入っていることを前提に話を進めます。
16分音符の3つ割りを習得するための基礎練習を解説していると今回のテーマに全然行き着かないので、またの機会にじっくり解説します。
譜面を書こう
先ずこういった拍を見失いやすいフレーズは譜面に書いてみましょう!
基本、どんなものも譜面に書いた方が良いです。
拍や小節はずれていくので、しっかりとフレーズの始まりが1拍目に来る小節まで書きましょう!
今回のフレーズは3小節で完結するので、しっかりと3小節書きましょう!
これは今自分が何拍目のどの音符を叩いているか把握するために凄く重要です。
自分がしっかりとフレーズを把握していないと他の人を騙すことなんてできないですからね!
先ずは右手の精度を高める。
右手のハイハットやライドの動きです。
通常の3連符上でのシャッフルのパターン。
いきなり右手だけで始めるのではなくて、3連符の2つ目に左手でゴーストノートを入れて右手と左手が合わさって、キレイに3連符が流れているか確認します。
もちろんクリックに合わせなければ確認のしようがないので、必ずクリックは使って下さい!
キレイに3連符が流れていれば、右手の動きがしっかりと出来ていることになります。
これが出来たら左手でゴーストノートを叩かずに、右手だけで3連符の1つ目と3つ目がキープ出来ているか確認してください。
出来ていなければ、また左手を加えて3連符の動き、流れを体に叩き込んでください。
ひたすらやってくださいね!
足に関しては、先ずはキック、ハット、共に4分音符で踏んでください。
ドラムは上半身と下半身のバランスが重要になるので、特別な意図がないのであれば、手の練習内容でも足を動かす、足の練習でも手を動かすようにしましょう。
はい、今回はこれが本題ではないのでこのシャッフルのパターンを16分音符に当てはめます。
さっきの譜面を16分音符に当てはめるとこんな感じです。
1小節目
2小節目
3小節目
3小節終わると、また1小節目に戻ってきます。
縦の点線で区切って見ると同じ3音のかたまりが繰り返されているのがわかります。
つまり16分音符の3つ割り(半拍半)フレーズになります。
先ほどは3連符上でのシャッフルでしたので、3連符がキレイに流れているかクリックを聞きながら練習してもらいましたが、今回は16分音符に当てはめているので右手と左手が合わさってキレイに16分音符が流れるように練習してください。
キックのパターンは先ずは4分音符で踏んで下さい。そして左足のハットは8分音符で踏んで下さい。
さっきの3連符上でのシャッフルの時は4分音符で踏んでも特に問題なかったと思いますが、今回の16分音符に当てはめた場合は手がズレていくので手と足がどこで合うのか確認してやってください。
こういう時に譜面を書くことが役に立つんですよ!
出来るようになったら左手を抜いて練習してください。
これが出来るようになったら、次はキックも先ほどの3連符上でのシャッフルの時に4分音符の位置で鳴っていたように聴かすために、16分音符上に当てはめます。
こんな感じのキックのパターンです。
1小節目
2小節目
3小節目
このキックのパターンも先ほどと同じ3小節終わったら1小節目に戻ってきます。
さっきの手のパターンと合わせてみて下さい。
ハットは基本は8分音符、テンポが速くて踏めなくなったら4分音符で踏んで(カカトでリズムをとる)ください。
これで16分音符を使っているのにシャッフルを叩いてるように錯覚させることができるのです。
最近の動画をちょっと解剖。
— Sugiyaman (@DrumSugiyaman) January 26, 2016
16分音符の3つ割り、つまり半拍半を1拍と捉えそれをあたかも3連符と感じさせるということね。あくまで、聴き手を錯覚させるためであり自身は本来の拍をしっかり感じなくては。@remopercussion pic.twitter.com/ihAGAPHqpn
しかし、ここでやらなくてはいけないことがあります。
それは、先ほども少し言った
- ハイハットを8分音符(テンポが速くて踏めなくなったら4分音符)で踏む、もしくはカカトでリズムをとる!
そして
- カウントを言いながら叩く!
ことです。
これは聴き手を「錯覚させる」「騙す」ものであり、自分は拍をしっかり感じていなければいけません。
譜面を見ながら、フレーズだけ追って練習していれば慣れてくれば叩けるようになります。
しかし、実際に演奏する時はテンポチェンジしたわけではないので、元々の拍子上で4分音符や8分音符や16分音符が流れているのです。
ですので、その本来流れている拍子を感じつつも騙しフレーズで聴き手を錯覚させるのです。
左足で一定の音符でリズムをとること、口で声を出してカウントを言うことは、体内のメトロノームを鳴らしているということに繋がります!
カウントを言いなが叩くことは難しいですし、そもそもカウントを言いながら叩く概念を持っていないドラマーも多いと思います。
ですが、とても重要なことなので頑張って練習してください。
ワン、ツー、スリー、フォーって言いながら叩くんです。
(カウントの言い方は他にも色々ありまして、その解説や言えるようにする方法はまたの機会に書きます)
左手で2拍、4拍のバックビートのように聴かせる
右手でシャッフルのように聴かせられるようになったら、次は左手です。
3連符上のシャッフルにおける2拍、4拍のバックビートを16分音符上に当てはめます。
譜面にするとこんな感じです。
1小節目
2小節目
3小節目
まずはキックは4分音符で大丈夫です。左足のハットは8分音符で踏みましょう。
次はキックのパターン。
キックのパターンは何でも良いのですが、こういった騙しフレーズは元のパターンが分かりやすく耳に入って来やすいものを選んだほうがより騙せます。
今回はこちらを当てはめます。
シンプルなシャッフルパターンですね。
そしてこれを16分音符に当てはめるのです。
1小節目
2小節目
3小節目
このパターンを頑張って練習し出来るようになったら、切りの良い3小節周期でこの前にやったキックを4分音符で踏むパターンと交互にやってみてください。切り替えの練習の入り口になります。
こういった騙しフレーズは先ずキックを4分音符ハットを8分音符で踏む、カウントを言う等して拍をしっかり捉えないと。周りを騙しているつもりがフレーズしか追ってない人がドラマーとして1番騙されてるんで。@remopercussion pic.twitter.com/r3eJE9UHcg
— Sugiyaman (@DrumSugiyaman) January 29, 2016
曲中で使えるように
実際に曲中で使用する場合は、本来の拍にあったビートの流れの中で使用するので、切り替えの練習をしなくてはいけません。
例えば8ビートの曲の中でこのフレーズを使うのであれば、通常の8ビートからの切り替えがキレイに出来なくてはいけないので、そこも重点的に練習しましょう。
今回は4小節を1サイクルとし、1小節目を8ビート、2〜4小節目を16分音符にシャッフルを当てはめた騙しビートを叩きます。
騙しビートは3小節周期なので8ビートを1小節加えればキレイに4小節サイクルになりますからね。
1小節目
2小節目
3小節目
4小節目
フィル叩いたり、違う小節数で叩いてますがこちらのツイートも参考に。
途中シャッフル叩いてるが、3連符は使っていない。16分音符に当てはめている。こういうの好き。@remopercussion @PaisteNation @vicfirth @PearlDrumCorp @pearl_drum pic.twitter.com/5LLgAx84qK
— Sugiyaman (@DrumSugiyaman) January 22, 2016
手や足のバリエーション
ツイッターの動画でも使用していましたが、右手を3連符の1つ目、つまり3連符上での4分音符の位置を16分音符に当てはめてライドのカップなんかを叩いたりも出来るようにすれば、速いテンポの曲で右手がシャッフルのパターンを刻めない時でも、キックをシャッフルのパターンで踏んでいれば聴き手をシャッフルを叩いているかのように騙せます。
それから個人的には使い勝手が良いのがツーバスで16分音符の連打をするパターンです。
足で16分音符の連打をしている状態で、手を8ビートのパターンにしたり騙しシャッフルにしたりするんです。
これならキックの16分音符の連打はキープしているのでテンポは変わっていないはずだし3連符を叩き出したわけでもないのに、ツーバス連打のシャッフルが聴こえるぞといった具合に聴き手が混乱します。
前回の動画ツイートの関連もの。3連は未使用。周りをどんどん混乱させるのよ。@remopercussion @PaisteNation @vicfirth @PearlDrumCorp @pearl_drum #drum #ドラム pic.twitter.com/CVWTQSiOiv
— Sugiyaman (@DrumSugiyaman) 2016, 1月 25
まとめ
こういうのもテクニカルな部分のひとつですね。
やっていることは手足の動きだけ見たら、そんなに難しいことじゃないんですよ。
ものすごい手数、足数を繰り出しているわけではないし、複雑な音符を使っているわけでもない。
手の動き、足の動きはシンプルなシャッフルのパターンだし、使っている音符は16分音符。
でも、音符の当てはめ方で凄く難しくなるし、面白くもなる!
こんなフレーズが自在に使えたら、他とは違ったクセのあるドラマーになれるのではないでしょうか!?
一緒に演奏している人も騙されるので、イヤがられるか、おもしろいって言ってくれるかで極端に分かれますけどね・・・
ですが、実際に使わなくても拍を捉える力が凄く鍛えられたり、オリジナルフレーズを作る時の考え方の参考になると思いますし、誰かのドラムフレーズを聴いた時の分析力も付きます。
なんでもそうですが、「自分はこれは使わないからやらない」ではなく「使わないものを出来るようにすることによって、使うものの質が上がる」という発想を持っていた方が良いと思います。
そして、今回の練習に限らず「クリックを使うこと」「カウントを言いながら叩くこと」はドラムの練習をする上でもの凄く大切です。
日々練習ですね。
僕も、もっともっと頑張らねば!