Groove(グルーヴ)を出すには濃縮が必要!2種類の深みとは?
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以前の記事でグルーヴドラマー、テクニカルドラマーについて触れました。
では、今回はグルーヴを出すためのトレーニングを紹介したいと思います。
グルーヴとはなんぞや?と思った人や、グルーヴは人それぞれ捉え方が違ったりもするので、僕が思うグルーヴについては上の記事で触れていますので先にそちらを読んでいただけると良いかと思います。
グルーヴを鍛えるには様々な方法がありますが、今回は濃縮について紹介いたします。
深みを出す方法の勘違いと2種類の深み
タイトルにもありますが、今回のポイントとなるのが濃縮です。
ドラムで濃縮ってなんだ・・・?と思うかもしれませんが、僕が思うドラムの濃縮というのは叩いているビートやフレーズの深さと言い表せると思っています。
食べ物でいうところの、素材の旨味みたいな感じです。
では、深さや旨味とは何なんだ?深いドラムを叩くにはどうしたら良いのか?という話になります。
よく深いという言葉を使う時に「人生経験豊富」だとか「芸の肥やしになることをたくさんしている」だとか直接的じゃないもの、今回の場合ですとドラム以外のことをどれだけやるかといった話になることが多いですが、はっきり言ってそういうの分かりにくいですし信憑性がないです・・・
じゃあ何をするの?ということになりますし、いっぱい遊べば良いの?となるわけです。
冷静に考えて、遊んでいるだけでドラムの演奏に深みが増して味が出て、聴いている人がイイな〜と思えるドラムが叩けるようになると思いますか?
もしそうだとしたら、そんな楽なことありません。
それにハッキリ言って、ドラムの演奏やそれに関連することで生計を立てている人ならば仕事として認識してもらえますが、プロとして活躍できるように頑張っている最中の人に対しての他人の目は「それも遊びみたいなもんでしょ?」「趣味でしょ?」と思われていてもおかしくないです。
つまりもう、あなたは遊んでいるんですよ‼︎
「真剣にやっているんだよ!」とか、「楽しいことばかりじゃなくて色々悩みながらやっているんだよ!」とイラッとした人もいるかもしれませんが、そんなことはどの分野だってそうです。
テレビゲームだって夢中になって真剣にやるでしょ?RPGゲームが先に進めなくて悩むでしょ?ボスに勝てなくてイライラするでしょ?
でも、ゲームは遊びだと思うでしょ?
今の時代はゲーム実況など、ゲームをすることで稼ぐことができそれで生計を立てている人もいますが、一般的なゲームをするという範囲では遊びの枠を超えることはできないはずです。
もちろん、いろいろな音楽以外の経験をすることによってそれが刺激となりドラマーとしての深みが増すということはあります。
これはどちらかと言うと人間としての深みが出ることによって、ドラマーとしての部分に反映されるということです。
恋人ができたことによって愛しいものを大切に大事にすることを知り、自分にとって大切なドラムセットや機材を大事に使うようになっただとか、恋愛についての曲に入り込めて演奏できるようになっただとか。
他にも、学生から社会人になったことによって時間を守るようになりスタジオに遅刻しなくなっただとか、組織として円滑に物事を回すには連絡、報告などの必要なコミュニケーションは何かということを知り、バンドの演奏が良くなるように意見交換をするようになったり、周りの音をよく聴くようになりメンバーの体調などにも気を配るようになっただとかの、ドラマーとしての本質を包む要素が豊かになるということです。
料理でいうところの、味付けをする調味料や隠し味の種類が増えたり質が上がるということです。
ですが、いくら調味料を増やしてもメインとなる素材がなければ意味がありません。
肉料理でいうところの肉がない、野菜料理の野菜がない状態です。
ですので、まずは肉本来の品質を上げ肉本来の深みが増さないことには、調味料をいくら揃えても意味がないのです。
肉本来の深みや旨味=ドラマーとしての深みや旨味
質の良い調味料や隠し味の豊富さ=人間としての深み(素材に影響を与える)
つまり深みというのはドラマーとしての深みと、人間としての深みがあるということです。
そして、この後者の深みについてばかり話に上がってしまっているのが、ドラマーだったり芸術関連の分野に携わる人たちの傾向です。
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素材の旨味・深みが増すことが重要
また肉で例えますが、良い肉であれば軽く塩コショウを振るだけで十分ということが言われます。
これはドラマーにも言えることで、人生経験豊富でなくても演奏者として優秀であればそれで良いのです。
では演奏者として優秀になるために、素材としての旨味や深みを増すためにはどうしたら良いかという話をします。
簡潔に言うと、とにかく叩くしかない!どれだけドラムを叩いたかが濃縮度に関わってくる!です。
これはドラムを叩く上でどんな内容にも言えるのですが、今回はグルーヴもテーマにしているのでその辺を踏まえて説明します。
グルーヴドラマーのイメージって、一曲を通してシンプルなビートや同じビートを叩き続けているイメージないですか?
フィルも短めのシンプルなものというイメージないですか?
このイメージってあると思うんです。
しかしよく聴くと強弱や微妙にゴーストノートのパターンが違ったり、ハイハットのニュアンスを変えていたりと、同じに聴こえるドラムパターンでもそのセクションや曲にあったノリや流れを作っているのです。
この辺の話もグルーヴを出す上で重要な要素なのですが、話が長くなりすぎるのでまた別の機会に話します。
では、今回は濃縮が必要と言っていますので、どう濃縮させるかということの説明をします。
例えば何か課題曲としてドラム抜きのマイナスワントラックがあったとし、それに自由にドラムフレーズをつけて演奏してくださいとう状況があったとします。
ドラマーAは先ほどのグルーヴドラマーのイメージにもあったように、一曲通してほぼ同じビートでフィルも基本的にはシンプルで短いものしか叩かないとします。
もちろん強弱や微妙なニュアンスの変化があるのですが今回は考えないことにします。
では同じ曲を別のドラマーBが叩いたとします。
こちらのドラマーはセクションごとにドラムパターンを変えて、フィルも短めのものから長めのものまで使って叩きました。
それをどちらのドラマーとも10回ほど、曲を通しで練習したとします。
それぞれのドラマーの力量や今までどんなものを叩いてきたかは度外視して考えると、単純にこの10回の通し練習だけで考えたならばAのドラマーの方が濃度が高くなるんです。
なぜかというと一つのビートを叩いている時間が違うからです。
1曲4分の曲だとしてイントロ、Aメロ、Bメロ、サビと均等な長さだったら、ドラマーBの場合は各セクションごと違うビートを叩いていますので、1回の通し練習でそれぞれのビートを1分しか叩いていないことになります。
しかし、ドラマーAは同じドラムパターンで終始叩いているので、そのドラムパターンを4分間叩いていることになります。
これが10回の通し練習となれば、10分と40分と大きく差ができてしまします。
また持続時間も変わってきます。
ドラマーAの場合セクションごとにビートが変わってきますので、1つのビートを持続して叩いている時間は1分です。
しかし、ドラマーBは所々にフィルを挟んでいますがそれを抜きにすれば、4分間持続して同じビートを叩いていることになります。
もちろん実際の一般的な練習としては苦手なところを繰り返し部分的に練習したりするので、上の例が全てに適用されるわけではないです。
それから、今回例に出したドラマーA、ドラマーBのどちらのアプローチが良い悪いの話ではないですしあくまで例であり、そこを言いたかったのではありません。
僕が言いたいのは、同じことをひたすら長い時間やって濃度を上げようということです。
普段の練習はどのようにやっていますか?
曲に合わせて練習をし、できない苦手な部分だけを数回叩いてみてまた曲に合わせて練習するというような方法を取っていませんか?
成功率を上げるためには繰り返し練習するしかありません。
曲に合わせて叩くことは確かに楽しいことです。
ですが、ただ曲に合わせて叩いているだけでは練習ではなく、ただ曲に慣れているだけなんです。
また、一応はできるようになったけどなんかイマイチ・・・という場合も数多くあるでしょう。
つまり質が悪いということです。
質を良くするためには、これまたとにかくそのパターンをピックアップして延々と叩くしかありません。
録音したり動画に撮ったりしてチェックをすることも大切ですし、そこから何か気付かないといけません。
そして、その気づいたことを意識しながらまた延々と改善できるように叩くしかないのです。
だいぶ質も上がってきているのだけど何か聴いていて気持ちよくないという場合は、1つ1つのタイコやシンバルが良いスポットに毎回入っているのかを確認してみてください。
8ビートなんかだと、特に耳に入って来やすい2拍4拍のスネアが心地よいタイミングで毎回鳴っているかや音色が均等かどうかなどを意識するとだいぶ違ってきますし、ドラムを叩くことが恐ろしく難しいと感じるでしょう。
そうなんです!シンプルで簡単そうなものでも、すごく難しいんです。
人間が心地よかったり気持ちよかったりすると感じるのは、一定の周期で同じものが訪れると心地よく感じます。
一定というと機械的な感じになってしまい温かみを感じないという意見もありますが、自然界の一部である人間が叩いているのですから、完璧に機械と同じようになるわけではないので大丈夫です。
例えると浜辺で一定のリズムで流れてくる穏やかな波の音を心地よく感じますが、一定と言っても微妙に違います。
これと同じような感じです。
ですのでとにかく反復して、機械のような正確さを求めてください。
ですが、どう頑張っても機械のようにはなることはできないのです。
その人間の努力と、たどり着けない機械の領域にギリギリ入れないのところにいる状態が、良いと僕は考えています。
もちろん、荒波のように乱れ揺れているドラムが好きという人もいるので、その辺は好みになってきてしまいますがね。
オススメの練習法
濃度を上げるにはとにかく叩くことだと言いましたが、闇雲にやれば良いというわけではありません。
例えば曲中に使われているビートを各セクションごとで見てみます。
イントロのパターンが2小節パターンならその2小節を延々と繰り返してください。
最低でも5分間やってみてください。
もっとできる人なら10分、20分とより長い時間やってみてください。
そしてゆっくりなテンポから確実にできているかチェックしてください。
できていないないのに、長い時間やっても効果は薄いので確実にできるテンポまで落として、安定して叩けるようになったら少しずつテンポを上げていってください。
また速いテンポのフィルなどは一瞬ならできるけど、連続しては無理というものもあるでしょう。
その場合は2パターンやってみてください。
先程言ったようにゆっくりなテンポで持続してやるという方法と、本来のテンポでインターバルを挟みつつ連続してやるという方法です。
ゆっくりなテンポでしたら本来のテンポでは速くてできなかったとしても、連続して持続することは可能です。
例えば2拍のフィルならそれを延々とやるのです。
次に本来のテンポでやるとなると、連続は無理という場合は規則的にインターバルを挟んで続けてみましょう。
2拍フィルでしたら、2拍叩いたら2拍休符にして休むといった具合に繰り返すのです。
これならば続けることは可能なはずです。
人間的な深みは増さなくて良いの?
先の項目で、深みには2種類あり人生経験が人間的な深みを増すことになり、それがドラマーとしての深みに影響する場合があるという話をしました。
一般的にはこちらについての話が芸術の分野では取り上げられることが多いと言いましたが、特に気にしなくて良いです。
別に檻の中に入れられている人生ではないので、人生経験なんて歳をとっていけば自然と積めますし経験の種類や系統も人それぞれ違うのは当たり前ですし、同じことでも経験する時期だって違いますし経験するしないも人それぞれです。
ある人にはすごく役立った経験が、別の人には全く役に立たない場合だってあります。
自分が必要だと思ったらやれば良いし、人が絶賛していても「えっ?なにそれ。嫌なんだけど・・・」と思えばやらなくて良いです。
そもそもそんな漠然としたことに頭を向ける前に、練習してとにかくドラムを叩くべきだと僕は思っています。
まとめ
とにかく同じものをひたすら叩くことで、その内容の濃度が上がり濃縮されています。
野球選手が毎日素振りをやったり、空手家が正拳突きを毎日何百回もやるのと同じでとにかく1つ1つのことを積み重ねていくことが重要です。
頑張っていきましょう‼︎
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